「帰ってきたヒトラー」

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『帰ってきたヒトラー』

前回の「イミテーション・ゲーム」を観てから、第二次世界大戦やヒトラー関連の

映画を観てみようかなぁと思ってたけど、あまりずっしり来る戦争映画の気分じゃ

なかったのでこれに。「ヒトラーが現代にタイムスリップし、人気芸人に？！」って

あったので、風刺っぽいコメディ映画なのかなーって思ってました。

観た感想、、、「全然コメディーじゃないやんー！！」むしろ「ぞっ」としましたよ。

戦争映画とはまた違う、むしろこっちのほうが現代にもあり得る、リアルな恐怖感が

残る映画でした。見応えあって面白かった。

【ここからネタバレあり】

ヒトラーが2014年にタイムスリップしてしまい、あるきっかけでテレビ局の目にとまって

コメディ番組に出てだんだん人気が出てくるんです。世間はヒトラーのマネをしている芸人

として受け入れていきます。ヒトラーの政治に対する語りに現代とのギャップがあって笑いに

なり、人気が出ていくんですけど、不思議とすごく真っ直ぐで情熱的な人物にみえてくるん

ですよね。ただ、ところどころで怖い場面も。現代のテレビをみて「プロパガンダに

使えるな。」とつぶやいたり、後半ではFaceBookを使って支持者を集めたり。

人心掌握術に長けていたというヒトラーが垣間見えます。

リポーターの「芸人として扱われることにどう思いますか」という質問に

「話を聞いてもらわなければ何も始まらない。それができるならなんでも構わない。」

と答えるシーンでは話を聞く機会さえあれば思い通りにできるというふうに聞こえ

ゾッとしました。

そして、はじめにヒトラーを発見したテレビ局の人間が、彼が「本物」であると気付き

危険を訴えるのですが、頭がおかしくなったと捕まって幽閉されて終わります。

この映画をみて、第２のヒトラーはいつでも現れうると感じました。

ユダヤ人のおばあさんが「最初はみんな笑ってたんだ！！」って叫ぶシーンが印象的でしたね。

ヒトラーはけして、突如現れて支配したわけではなく、持ち前のカリスマ性で

徐々に人々の心を掌握していったんだなと。そしてそれは現代でおこってもおかしくない

という怖さを感じる映画でした。思っていたのと全く違ったけど面白かった！！

原作の小説もあるみたいなのでそっちも読んでみたい。